リスメール事業の製品ロードマップ 2018年春版

2018年4月10日(火曜日)

弊社製品をご利用の皆様ならびに関係者各位

平素は弊社製品をご愛用いただき、誠にありがとうございます。

弊社は、初めて策定したロードマップの内容を2015年に発表いたしました。
その後、お客様とのお取引の中で、新製品を発表せずに既存製品に対して大幅な改修を行うことが優先事項となり、それまでの予定に多くの変更が生じた結果、初期のロードマップに必ずしも沿わない方向で、過去3年間製品の開発及びリリースを行うことになりました。
これによりスケジュールにおいて大幅な修正が入ることとなりましたが、ここ数年間にわたり鋭意進めてきた開発の成果を、製品としてようやくお客様へご提供できるようになりました。

直近の予定として控えている RisuMail 製品のリリース内容及びスケジュールを皆様にお伝えしたく、本日ここに詳細をご案内いたします。


● RisuMail 製品のラインアップ

○ 主要製品

  • RisuMail
  • RisuMail Server
  • RisuMail AntiVirus
  • RisuMail Mobile

弊社製品の主要製品は上記の通りとなります。

○ 付随製品

プラグイン、ツール及びカスタマイズサービスなどは主要製品に付随する製品となります。付随製品を持つのは主に RisuMail で、また、RisuMail にもこれまでの 3.x シリーズの他に、近日リリース決定の RisuMail 4.0 が 4.x シリーズとして加わります。

初期のロードマップ及び弊社ウェブサイトでは、これまで弊社の各製品、主要製品・付属製品をまとめて横並びでご紹介しておりましたが、RisuMail 4.0 をきっかけに上記の通りの基本的な位置づけになりました。

RisuMail 4.0 のリリースに伴い、上記の製品構成を弊社ウェブサイトにも反映いたします。


● RisuMail 製品 及び RisuMail のバージョンシリーズについて

○ RisuMail 3.x シリーズについて

RisuMail 3.x は、2009年12月22日付の同シリーズ RisuMail 3.0(初期リリース) 以降、長年にわたりお客様へご提供しているシリーズです。
現行バージョンは Red Hat Enterprise Linux 6 及び CentOS 6 対応の RisuMail 3.1、そして Red Hat Enterprise Linux 7 及び CentOS 7 対応の RisuMail 3.2 となっております。同シリーズは非常に安定しており、大変軽く動作します。

RisuMail 3.x は、RisuMail 4.0 リリース後もメンテナンス及び保守・サポートを引き続き提供してまいります。Red Hat Enterprise Linux(RHEL)及び CentOS の最新版に対応しつつ、原則的には機能追加はせず、不具合の修正を行うことで現状機能及び仕様を維持するという基本的な位置づけを持つことになります。

ただし、お客様からのご要望がありましたら、RisuMail 3.x 向けにプラグイン開発及びカスタマイズによる機能拡張、または仕様変更などを行うこともできます。

・RisuMail 3.2 について

2015年にリリースを行った RisuMail 3.2 に関しましては、当初不具合や小規模な機能改善などに対応したリリースとする予定でした。
しかしながら、それまで最新版であった RisuMail 3.1 は、 Red Hat Enterprise Linux 6(以降 RHEL6)及び CentOS 6(以降 CentOS6)まで対応していた中、Red Hat Enterprise Linux 7(以降 RHEL7)及び CentOS 7(以降 CentOS7)へ近い時期にアップグレードしたいとの複数のお客様からのご要望を受け、RHEL7/CentOS7 搭載のPHP 5.4 まで対応することが急務となりました。そのため、標準プラグインを含む同リリースのソース全体の包括的な PHP 5.4 対応のパッチを作成し、お客様へ提供した後、同パッチを適用済みのものとして限定的な内容でリリースしたのが RisuMail 3.2 です。なお、リリースにあたり一般向けの発表は当時行っておりません。

このように RisuMail 3.2 は、PHP 5.4 対応のみの狭い範囲のリリースとなりましたが、パッチ及びリリースをタイムリーにお客様へご提供でき、また、RisuMail 3.1 と全く同じ仕様にすることで、 RHEL6 から RHEL7 へのアップグレードが非常にしやすいものとなっております。


・RisuMail 3.3 について

これからリリース予定の RisuMail 3.3 は、RisuMail 3.1/3.2 に対して社内で行っている修正を全て適用したリリースとなります。RisuMail 3.2 を含む RisuMail 3.1 以降のこれまでの保守及びサポートの対応の中で、お客様から不具合などのご指摘を頂いた際、適宜修正パッチを提供してまいりましたが、RisuMail 3.3 ではこれらの修正を全て反映させたものになります。当然ながら、お客様がこれまで個別に適用されていたパッチは不要となり、RisuMail 3.1/3.2 を RisuMail 3.3 へアップグレード頂くだけで、既知の不具合が全て修正されるようになります。

なお、リリース後に見つかった不具合に関しましては、これまで通り、ご連絡頂いたお客様へ速やかにパッチをご提供いたしますが、次のリリースがより容易に行えるよう、今後は弊社のソース管理システム内で修正を同時に反映させることといたします。この管理方式は後掲の RisuMail 4.0 で既に採用しており、パッチリリースも何度か行っております。

※ RisuMail 製品のバージョンの決定方法及びバージョン番号の付与基準 は、RisuMail 4.0.0 の完成を以ってこれまでのものと変わっております。詳細につきましては、後日 RisuMail 製品のウェブサイトにて発表します。

RisuMail 3.3 のリリースは、長期間の開発及びテスト期間を必要とした RisuMail 4.0 とは異なり、これまで社内で既に用意している不具合の修正や、機能改善のパッチをまとめたものとなる関係で比較的短い期間でリリースの準備が完了すると見込んでおりますので、今年の夏前にはお客様にご提供できる予定です。

また、これまでにない 3.x の特長として、RisuMail Mobile を連携させて使用するお客様向けに、ユーザエージェント識別の共通ログイン画面が RisuMail 3.3 に実装されます。

RisuMail 3.3 は、長年安定稼働の RisuMail 3.x をそのまま利用したい、または特に予算重視のお客様に適した製品になります。


○ RisuMail 4.x シリーズについて

RisuMail 4.0 は RisuMail 4.x の初期リリースであり、これまでのバージョンの全ての側面において、大幅な改善を行ったものとなります。
ユーザインタフェース(UI)、見栄え、操作性、機能性、そして保守性においてもこれまでにはない広範囲の変更が加えられています。本リリースの開発は2年間以上にわたって弊社の全リソースを注ぎ込んだものです。

RisuMail 4.0 の本開発は昨年後半に完了した後、数か月にわたる大がかりな検証及び修正期間を経て、2017年9月22日付で 4.0.0 のリリースとして初めてお客様へご提供させて頂きました。

初期リリース以降も、弊社業務において RisuMail 4.0 を使用中に発覚した不具合及びお客様からご指摘頂いた内容の修正、並びに仕様や機能の微調整といった改善を速やかに行っております。これらの修正を反映させたマイナーリリースを、昨年9月以降数次にわたって行い、初回のロードマップで目安とした「3ヶ月から6ヶ月の間にはいずれかのバージョンとしてリリースを行う」以上の頻度で、製品のメンテナンスアップデートをリリースしております。

RisuMail 4.x シリーズでは、新機能の実装を行うなどして積極的に機能を改善する一方で、安定性を重視したシリーズとなっております。常に RHEL/CentOS の最新版に加え、同OS搭載バージョン以上の PHP に予め対応することを目標としております。

RisuMail 3.x ご利用中の一部のお客様が既に RisuMail 4.0 へアップグレードされています。弊社が2002年からサーバのホスティングをさせて頂いているお客様の RisuMail を3.1 から 4.0 へアップグレードしており、大変好調に稼働しております。さらに先日、新規案件にて RisuMail 4.0 をご導入頂くなど、正式リリース前から着実に実績を積み重ねております。


○ RisuMail Mobile について

新製品の RisuMail Mobile の主な開発は2015年の時点でほぼ完了しておりましたが、上述の通り、RisuMail 4.0 リリースに向けた大幅な改善が優先事項となり、RisuMail Mobile 製品の発表及び販売が保留となっておりました。しかしながら、 RisuMail 4.0 の開発の完了を受けて、スマートフォン対応の RisuMail Mobile S もようやくリリースできる準備が整いました。

現在、RisuMail Mobile S の発売に向けて、2015年に本開発がほぼ完了していたコードベースを PHP 5.4 以上に対応させると共に、ユーザインタフェースに対して微調整作業を行っているところです。

RisuMail Mobile K につきましては、従来の携帯電話(「フィーチャーフォン」または「ガラケー」)対応のものとして当初販売予定でしたが、 RisuMail Mobile S と同様、お客様へご提供できる状態にはなったものの、上記の諸事情により、販売が保留となっておりました。
しかしながら、フィーチャーフォン向け製品の需要が低いその後の情勢を受け、RisuMail Mobile K の一般販売を見送ることといたしました。

もっとも、フィーチャーフォン向けに開発されている RisuMail Mobile K は、画像などをほとんど使用しないテキストベースの UI であるため、非常に軽快に動作する仕様となっており、極めて少ない帯域で使用される用途に適しております。その特性により、組み込みなどの用途に大変適しているものと弊社は考えております。
そこで、フィーチャーフォン向け、または、組み込み向けのウェブメール製品を必要とされるお客様には、RisuMail Mobile K のコードベースを元にしたカスタマイズ製品のご提案をさせて頂きますので、弊社までお問い合わせくださいますようお願いいたします。

RisuMail Mobile は、正式リリース前の段階で既に一社ご利用頂いておりますが、加えて他のお客様からも新規にご注文を頂いており、RisuMail 4.0 と同様に既に導入され始めております。

なお、RisuMail Mobile S の発売決定に伴い、RisuMail Mobile K の販売を見送ることとなったため、それぞれの製品名称を区別する必要がなくなり、今後は、 RisuMail Mobile S を RisuMail Mobile と呼ぶことといたします。


● RisuMail 製品 リリーススケジュールの日程(実績及び予定)

以下、今年前半にリリースが決定している製品につきましては、目途となる具体的な日付を記載し、後半リリース予定の製品に関しましては、大まかな日程を目安として記載しております。

○ RisuMail 3.2 : 2015年9月24日 リリース済み

RisuMail 3.2 は、2015年に RHEL7 向け(PHP 5.4 対応)のものとして既にリリースしております。


○ RisuMail 4.0 : 既存お客様先行リリース - 2018年4月上旬

先行リリースは、原則的に、昨年11月付けで弊社製品をご利用中のお客様を対象としたものであり、無償アップグレードが可能となっております。先行リリース発表時に、無償アップグレードに関する詳細や注意点などについてご連絡いたします。


○ RisuMail 4.0 : 一般向けリリース - 2018年4月下旬

既存のお客様への先行リリースを経て一般向けリリースを行います。

本リリースに伴い、RisuMail 製品のウェブサイトを全面更新し、製品のご利用及び年間保守に関する契約書類もご用意することになりました。RisuMail 4.0 は、既に一部のお客様へご提供しておりますが、今後、一般向けに提供するために必要な準備を経て、弊社のアナウンス用メーリングリストへの投稿及びウェブサイトへの掲載を以って正式リリースとさせて頂きます。


○ RisuMail Mobile:一般向けリリース- RisuMail 4.0 リリース約1ヵ月後

スマートフォン向けに開発された RisuMail Mobile(RisuMail Mobile S)は、 PC 対応の RisuMail と連携させて使用することのみならず、RisuMail がインストールされていない環境に単独でインストールして使用することも可能になります。
初期のリリースは、RisuMail 3.x から必要な主設定、個人設定及びアドレス帳を読み込み、動作できるものになります。

※ RisuMail 4.x との連携機能の実装時期につきましては、RisuMail 4.x 対応に関する以下の記述をご参照ください。

※ 既存のお客様は、優待にて、ご購入済み製品との大変手ごろなバンドル価格でご購入頂くことが可能になります。


○ RisuMail 3.3 リリース:一般向けリリース- 6月頃

本リリースは、これまで RHEL6/CentOS6 用であった RisuMail 3.1、そして RHEL7/CentOS7 用であった RisuMail 3.2 のいずれも後継バージョンとなります。本リリースを以って RHEL/CentOS の6及び7向けの最新バージョンは、これら両方の RHEL/CentOS に対応した RisuMail 3.3 になります。

※ RisuMail 3.3 リリース後も、RisuMail 3.1/3.2 ともに今後もサポートされます。 本リリースを以って RisuMail 3.0 以下のバージョンは、本リリース後1年後にサポート終了となりますのでご注意ください。


○ RisuMail Mobile (4.x 連携モードあり):一般向けリリース - 今年後半

RisuMail 4.x と製品の主設定、個人設定及びアドレス帳を使用する連携機能を実装したリリースになります。このリリースを以って RisuMail 3.x 及び RisuMail 4.x との連携が可能になります。

本リリース前の時点で、RisuMail 4.x 及び RisuMail Mobile 導入案件の主設定・個人設定・アドレス帳の連携機能が必要とされるお客様には、先行してご提供することが可能ですので、弊社までお問い合わせください。


○ RisuMail 4.1:一般向けリリース - 今年後半

詳細な内容は未決定ですが、リリース時点までに行われた 4.0 に対する全ての修正を反映させた上で、RisuMail Mobile と連携させるためのユーザエージェント識別の共通ログイン画面が実装されます。

本リリース前の時点で、RisuMail 4.x 及び RisuMail Mobile 導入案件のログイン時に、ユーザエージェント識別の機能が必要とされるお客様には、先行してご提供することが可能ですので、弊社までお問い合わせください。


以上が、弊社が主に今年行う予定のリリース日程及び概要になります。

初期のロードマップでは、RisuMail 以外の PC 向けの新製品の開発に関するご案内もさせて頂きましたが、これは RisuMail 3.x で以前から課題であったユーザインタフェースにおける改善を実現する、というのが主たる目的でした。弊社としましては、新たな市場を開拓すべく、新製品の開発をも視野には入れているものの、その後進めてまいりました RisuMail 4.0 の開発の成果として、UI をはじめとする大幅な改善により、そして、さらには RisuMail Mobile の発売により、これまでお客様から頂いたご要望に十分に対応できるものと考えております。

これまで弊社は、お客様から頂いたお問い合わせに対応し、ご連絡頂いた不具合の修正をするなど、日々改善に努めてまいりましたが、弊社ウェブサイト掲載の情報が必ずしも最新のものではなかった点、また、製品のリリースなどに関連する変更があった時にお客様へ随時ご連絡できていなかった点においては、更なる改善が必要と認識しておりました。

今回の新しいロードマップにおきまして今後の弊社製品のリリース予定をお客様へお伝えしたところで、できる限り忠実にスケジュールに則ったリリースを行い、RisuMail 4.0 をきっかけにウェブサイトを全体的に更新し、最新の情報をウェブサイトにて掲載していきたいと考えております。

当面の間、弊社の最大の責任は RisuMail 3.x/4.x 及び RisuMail Mobile を含む弊社の規ロードマップにて開示している製品のリリースを行い、長年の実績を通じて、日本において何百万人もの方々にウェブメールサービスを提供してきた安定の RisuMail 製品が、今後もお客様に安心してご利用頂けるよう、誠意を持った確実な保守及びサポート業務を全うすることであると考えております。


● お客様への謝意

2003年にウェブメールの事業として発足したリスメール事業は今年で15年目を迎えました。

これまでに弊社製品をご購入され、長期契約を頂いたお客様、また、毎年契約更新頂いているお客様には大変感謝しております。これらのお客様なくして弊社の事業は成り立ちません。末尾ながら、この場をお借りして、深く御礼申し上げます。

このたびようやく皆様にご提供できるようになりました上記の各製品は、お客様への思いを胸に、長期にわたって開発を進めてまいりました。皆様には大変喜んでお使い頂けるものと信じております。

今後ともご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。


エス・エー・ヒューズ・エンタープライゼズ株式会社
代表取締役
スコット・ヒューズ